熊本県大学合同合唱団結成のきっかけとなったお2人。
合唱団の始まりから今まで、そしてこれからについて語っていただきました。
−結成のきっかけは?
藤木 GREEがきっかけだったね。
GREEで僕と林田君が繋がってて。
大学の合唱があまり発展しないっていうか、少し不満みたいなのがあったんだよね。
林田 そうそう。各大学がこじんまりしてる感じだったから。
藤木 みんなで仲良くやれたら良いなと思って。
交流があるとまた変わるかなって。
まぁできれば良いなーぐらいの思いで考えていました。
そしたら60周年記念ということで合同じゃないと出場出来ない企画があったから
それにばっちり乗っかろうって2人で話して。
−お2人は元から知り合いだったんですか?
林田 いや、GREEで初めて知り合って。
藤木 そう。GREEで知り合って、話してるうちにって感じだね。
個人的に僕が理事だったし、役員の人たちに呼びかけて各大学を回っていきました。
軽井沢合唱フェスティバルに参加して、認め合う合唱っていうのが良いなと思ってたから、
それをコンセプトにして皆さんにお伝えしました。
−高校までの部活や、今所属している他合唱団との違いは?
藤木 もう全員大学生ってところだよね。
林田 指揮者も大学生だし、ピアノも大学生だし。
団を作ってる人も大学生ってところがまず違うところ。
藤木 やっぱいろんな学部が集まってるっていうのも魅力だろうし。
理学部、教育学部、心理学部、総合管理学部、経済学部とかいて、
違うんだけど共通するところもあるし。
−共通する点は?
藤木 意外と違う大学でも先生が被ってたりとか、そういう話から始まって。
林田 音楽面でも高校とかから始めてた人が、玉名だったり、第一だったりで話が繋がったり。
藤木 あとは思わぬ高校のときの同級生とかと再会したりするんだよね。
−合唱初心者の方もいますよね?どういう指導をされてるんですか?
藤木 合唱をしていく上で、何かをしていく上で、大事なことっていうのがあって。
僕はなにも技術的に持ってるとか持ってないとかじゃない。何が1番大事かというと「信頼」
認めてもらう環境がないと良いものも出てこないし、やる気にもならないと思う。
意欲を出させる環境を作れたってことが、初心者の方には安心感があったんじゃないかな。
コンクールとかだと音取りテープがあったり、本番前に基本に立ち返って音取りからしようよとか、
パート練習をしたりとか。
林田 そうそう。男性は男性だけで練習日を作ったり、女性は女性だけで練習日作ったり。
まず仲良くなってないと、人間関係を作っとかないと、団の中にいずらくなったりとかするから、
練習後にご飯食べ行ったりとかして、話してるうちに共通点を見つけて盛り上がったり、
仲良くなっていって。
藤木 やっぱそういうことだよね。団の環境作り。
林田 あと合唱の強みっていうので、1人で歌うと自分だけの力になるから緊張したり、
積極的になれないとかもあるけど、周りに一緒に歌ってくれる人がいるから、それで自信ついたり、
わからなくても周りの声を聞いて歌えるようになるから、初心者でも一緒に歌っていればどんどん
吸収していって、大きくなっていく。だから入りやすいってのもあるかな。
−認め合う合唱をテーマにおいていますが、これからの具体的な目標は?
藤木 まぁ、理念は忘れずやっていきたいし、やっていってほしい。
認め合うってとこからはずれないように出来る範囲でやっていくことが大事だと思う。
今後は、高校から上がってくる子達がまた大学で合唱やりたいと思えるような活動をしたいし、
新しく入った人達をどんどん開拓していってまた新しい輪ができると良いなと思う。
大学を卒業した後もふと集まって何期生とか、同窓会じゃないけどちょっと歌おうよってなったり
すると嬉しいね。高望みはしません。
林田 今の目標は合唱を楽しむこと。コンクールとか合唱祭に出たりとか、公共の場で歌う機会も持っていて
そこでさらに楽しく面白くしていこうっていう。
藤木 だからコンクールに出るって言うのも、今回初めて出たけど、コンクールに出たということだけを
見るのじゃなくて、中身、内容だよね。コンクールに出るときの姿勢はまだ変えられるところが
あるんじゃないかなと。楽しむって中にも、変えれるところは何だろうなって追求してくれると
ちょっとでも変わるし、3年、4年、5年とたっていったら、そのちょっとが大きくなっていくと思う。
大きな変化はいらないから。
−今までに意見のぶつかり合いは?
藤木 ありますあります。1番最初から。
林田 最初合唱祭に出たときに、曲を彼が持ってきたんですけど、それが台湾語で。
誰も台湾語に触れたことないし、合唱祭が新入生の1番最初のステージになるし、やっぱりそこで
合唱の良さを知ってもらいたかったから、いきなり入って台湾語はさすがにないってみんなで言って。
結局なくなったんですけど。
藤木 その前の合同をするって時点からもうてんやわんやで。
全くもう、って感じで。
いがみ合いはあったけど自分も逃げないし、揺らがぬ信念があったからみんなついてきてくれたのかな
って勝手に思ってます。
−今年から4年生ですね。卒業が近づいていますが、皆さんに託したいことは?
藤木 みんなで悩め、みんなで笑え、みんなで泣け、かな。
主役はみんな。
林田 うん。指揮者だけで音楽を作ろうじゃなくて、1人1人が今のフレーズこうしたら良いんじゃないの?
とか、今の音心配だったからもう1回お願い、とかあっても良いし、指揮者とピアニストだけの
音楽じゃないっていう。
藤木 それぞれ強みがあると思うんだけど、そこを活かす。
英語が得意な人は訳したり、ラテン語が言える人は読み方教えたり、ピアノはピアノを弾いてくれるし、
タイピングが得意の人は文章作成したり、それぞれの存在の意味とかを今後も見つけて欲しい。
活躍できるところがあればなって。
−では最後に、お互いのことをどう思ってるか教えて下さい。
林田 まず自分自身が保守的なところがあった。熊本大学の合唱団にいて、伝統あるところだからなかなか
思い切って変化を付けられず、打ち破るようなことがなくて。
指揮も先生から教えてもらったりとかしてたけど、藤木くんはそれが無くて、でも表現力とか熱意があった。
それと奇抜なアイデアが多かった。
合唱団作ろうってこともなんだけど、自分にはないアイデアで。
でっかい大きなもの、一気に変えてしまうような案を出してくれる人。
音楽の部分でも自分にはない意見を持ってるし、練習のときの発声法とか、曲に対する考えとかだったり、
自分にないものを持ってるから、いろんな面で勉強になる。音楽面でもやっぱ信頼してる。
藤木 GREEでも1回合唱とは、みたいな話をしたことがあるんだけど、あーこの人は信頼できるなと。
楽しいなっていうのもあって。別に自分と同じ考えじゃないんだけど、心の根底にあるもの。
それなりに良い経験をしていて、良い経験っていうのは良いものも知ってるし、苦いものも知ってる。
両端知ってるところからも信頼できるなと思った。だから普段の練習でも発声を任せられるし、
こうこうしてとかじゃなく、お願いって言ったらちゃんと彼なりのカラーで出してくれる。
合同をするにあたっても彼の存在は大きかったし、どうしても熊大さんは伝統っていうのがあったから、
その中でみんなにやろうよって声かけてくれたのが林田くんで。
いろんなところに電話してくれたり、その部分で一緒にやってきたという感じがある。
この人がいなければやっていけなかった。ちゃんと言ってくれるし、顔にも出すんだよね。
あ、これはだめだってすぐわかる。
林田 それはちょっとまずいかも、と思ったらはっきり言うしね。
藤木 それがあるからやりやすい。
言い合える存在っていうのは大きいと思う。
そんな感じかな。
2011.Undergraduate Joint Chorus